かぼちゃの馬車の問題が、新聞を賑わせている。
集団訴訟にも、なっているらしい。
住友不動産で、かぼちゃの馬車の売却物件を取り扱っているから、物件を確認し問題点を整理してみた。
1.価格が高すぎる。
つつじヶ丘から、徒歩6分だが、竿地で接道が2mしかない。
通常なら、通路の土地の広さを控除した上で20%ぐらい安く売買されるべき土地だろう。
建物も、安い作りだから建物と土地の原価は6,200〜6,500万円。
2倍近い高値で売却していたようだ。
少し、不動産を勉強した人なら、価格が変だとすぐに分かる。
2.家賃保証金額が高い。
詐欺だと言われる点はこの部分。
建物を高値で売却する為に家賃保証金額を現実の家賃より高く設定していた。
通常なら、収入家賃から募集経費を除いて、空室リスク分と利益を控除する。
予想家賃×80%(空室率&募集コスト)×90%(利益)
本件なら、高くても年間450万円ぐらい。
1.5倍程度の水増しをしていた。
破綻する事は、ずっと前に予想出来た。
分かっていて新規募集しているなら、計画倒産を疑われる。(これは犯罪。)
3.入居率が低い
本物件の入居率は、60%。
さらにスマートデイズのHPを見ると入居率ゼロが21件もある。
この入居率なら破綻して当然。
家賃保証(サブリース)する場合は、何とかして入居者を決めるのが普通だ。
当初のサブリース家賃が高くとも、入居率が低ければ、下げられてしまう。
サブリースでも入居率をチェックするものだが、全く行っていなかったのだろう。
4.スルガ銀行が融資を付けた。
書類を信じたと言っても、少し不動産の知識が有れば、売買価格が高すぎる事や補償家賃(サブリース家賃)が高すぎる事は見抜けるはずだ。
今、社会的に非難されているのは、スルガ銀行が詐欺を知りつつ、詐欺に加担した疑いが有る点だろう。
金利は全額減免する様だが、元本を控除するかが今後の大きなポイントになる。
5.構造上問題
通常のシェアハウスは、入居者同士が交流出来る共用スペースが配置されているが、かぼちゃの馬車物件には共用スペースが無い。
他のシェアハウスとの競争力が心配になる。
一部屋潰して、共用スペースを作る必要があるだろう。
6.シェアハウス供給過多
シェアハウスが良いと考える人は、限られている。
需要を無視して、供給した訳だから、供給過多になる。
家賃を下げなければ、満室は難しい。
7,今後の展開
今の販売価格は、2年前に販売された価格と同水準だから、絶対に売れない。
大幅に割り引く必要が有るが、融資残高が有るから、抵当権を外せず、価格を下げるに下げれない状態。
今後、本人が自己破産するか?
金融機関が減免を認めなければ、売却は進まない。
大幅に価格が下がれば(5,000万円ぐらい?!)、シェアハウス物件の購入は面白いと思ったが、もう少し様子を見る方が良いと思う。
いずれにせよ、投資にうまい話は無い。
業者が関与すればするほど利益を取られる。
当たり前の話だ。
これほど酷く無くても、良心的で無いケース(お客さんの利益を優先しないケース)はたくさん有る。
1億円も投資するなら多少手数料を払って、信頼できる人にアドバイスを受けたら、こんな物件を掴まなくて良かった。
銀行の責任を追及して、世間の同情を買い、借金を減額させようと訴訟団を組んでいる様だ。
甘い考えだと思う。
詐欺の様な話は、昔からある。
バカな人が引っかかった。
投資は自己責任だから、早く自己破産申請をして再起を図った方が良い。
昔から、シェアハウスの投資は有った。
利回り(経費込み)は、15〜20%ぐらい有ったが、入退出が多く募集コストが高くなり過ぎて楽では無いと聞いていた。